お知らせ : 六甲山の災害展

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2025年06月の記事一覧

  • 梅雨時期だからこそ!六甲山の歴史と緑の再生を体感するパネル展示イベント

    2025/6/6

    六甲山の豊かな緑がどのように再生されてきたか、その歴史を紐解くパネル展示イベントを開催します。約150年前の六甲山の姿と、先人たちが行った植林の様子や技術を当時の写真で紹介します。再度山から始まった植林は、木のない山だった六甲山系の植生を回復させるきっかけとなり、昭和60年代まで積苗工などの技術が受け継がれてきました。現代の新技術に置き換わった積苗工ですが、当時のダイナミックな森林再生工事の様子を写真で感じ取っていただけます。明治期に行われた植林の様子が記録された硝子板などの資料群とともに、再度山周辺は日本林業遺産に登録されています。
    また、1938年(昭和13年)7月3日から7月5日に発生した阪神大水害時に旧摩耶観光ホテル(以下、マヤカン)下が崩壊し、4年の歳月をかけて当時の石積技術で400mにも及ぶ治山施設群が整備されました。荒れ地となった山腹斜面にカツラやイロハモミジを植栽し、治山施設群は現在もなおその機能を維持しています。植栽木は大きく根を張り巡らし、80年以上経過した現在も現役で土砂災害から市民の暮らしを守っています。兵庫県神戸県民センターでは、このマヤカン下の治山遺構を現在開催中の関西大阪万博覧会のフィールドパビリオンとしてマヤカンとセットにしたガイドツアーを令和6年度から展開し、六甲山系の土砂災害の歴史や治山事業、砂防事業の土砂災害対策工事の取り組みや効果を県民へお伝えする場としています。
    令和7年は平成7年阪神淡路大震災から30年目の節目を迎えた年で、昨年度に引き続き戦後初めての大都市直下型地震である六甲山系の地震被害とその復興の道のりをまとめたパネルを多数展示します。また、震災時に落石や斜面崩壊が断層沿いに多発したことを踏まえ、震災後に県が開発した斜面対策工法の紹介も行います。
    さらに、登山者が利用すると便利なアプリもご紹介しています。航空レーザー測量で六甲山系を計測し、その計測データから樹木のデータを取り除き地形がはっきりわかるCS立体図を整備しました。ハイカーの皆さんもぜひお使いいただければと思います。お手元のスマートフォンで六甲山系を3Dでご覧いただくこともできます。
    また、過去に多くの災害に見舞われた六甲山系の土砂災害の歴史をまとめたチラシもご用意しています。過去にどのような災害が発生し、その対策を講じてきたのか、県民の防災意識の向上に行政が何に取り組んでいるのかをまとめていますので、ぜひお持ち帰りください。
    展示期間は六甲山ビジターセンターにて6月11日~7月10日の1か月間です。阪神淡路大震災の展示は今回特別展示です。お見逃しのないように、ぜひご来場ください!